2021年10月28日
10月 AS通信 煎茶道
煎茶道教室 亀尾千景
春からのお点前の割稽古を、夏休み前からは一通り最初から通してやってみました。
お稽古歴6年目の6年生と同じことをするのですから、1年目、2年目、3年目の子ども達にはなかなかのスパルタです。
しかし間違えても、粗相をしてしまってもいいのです。ひとつひとつの動作を丁寧にすることが大切なのです。
この「動作」は、年月経つごとに「所作」へと変わっていきます。そこに自然と心を込めることが出来るようになるのです。
背中にテニスボールを入れるイメージで背筋を伸ばすこと。
何もしない手はお膝に。
指先を揃えること。
カチャという音は異常事態!と思いましょう。音をなるべくさせないようお道具を扱うこと。これらに注意しながら、お点前の流れを覚えました。
実際にお茶の葉を目や手(茶合というお道具を使います。)で計り、お急須に湯量も各々考えて注ぎました。繊細な玉露ですから、湯量、蒸らす時間、温度(1度で変わります。大体40度~43度くらいが適温です。)で淹れる人によって、お味が変わるのも楽しみのひとつです。
お点前は最初伏せてあるお茶碗を起こすことからもう大変なことです。
茶心壺から茶合へお茶の葉が溢れないように測り、お急須に葉を注ぐのは至難のワザです。これを、お相手の為を思いながらこなすのですから、それはそれは神経を澄まさなければなりません。
そのように自分で淹れたお茶♪それぞれお相伴しました。お味はいかがでしょうか。皆笑顔でした。
ここまでというゴールはありません。何年目でも自分と向き合い、お点前の上達は二の次で、その時その時の状況に柔軟に対応して、他人を思いやることのできる心を育み、清く更に各々自分を高めていって欲しいと思います。